Tiny Garden の楽々人生

谷川和久が綴る 時系列を全く無視した 雑記(not 日記)の倉庫

仕方なくぼくはうなずいた。

※2006/3/20更新の記事より
 
「ぼくの小鳥ちゃん」
 
江國さんの本を拝読するのは2冊目。
いずれもも、近所の図書館、児童書のコーナー。
絵は荒井良二さん、
ルフランルフランで見たコトある。
タイトルで引っ張られたのは、江國さん、
コピーライトの才に長けておられるのだろうか?
 
スイートなお話でした。
いや、スイートで済ませていいのかな?
 
「あなたはうけいれすぎるのよ」
 
他の作品、買ってまで読みはしないだろ、
って思ってた矢先、
電車で出掛けなきゃいけない用事の際に、
駅まで出て、気付いた。
電車で読む本を持って来るのを忘れた。
 
ちょっとだけ時間に余裕があったので、
駅前の本屋へ寄る。
無理には買わないけど、
読みたいと思える文庫本があれば、と。
 
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」
江國さん、である。
 
まぁ、こりゃ、タイミングかぁ、と、購入。
 
単行本で、かなり売れてたし、
(当時、中古本店店長)
なんやら賞も獲得してたし、
てっきり長編かと思いきや、
(その根拠は何?)短編集でした。
ナルホド、児童書コーナーとは、
タッチ違うわな。
 
It's not safe or suitable to swim.
 
小説の主人公=語り部がふと思い出した、
アメリカの片田舎の川べりで
見かけた看板の文句。
 
遊泳の「禁止」を命ずるでもなく、
事実だけを告げる看板。
 
僕は、或いは、ヒトは、
この、生きて行くのに、
安全でも適切でもない世界で、
それでも、生きて行かなきゃならない。
そう、この世界が、
安全でも適切でもないからって、
じっと立ち止まってる訳にはいかない。
 
やっぱ、「ぼくの小鳥ちゃん」は、
スイートな結末じゃねーよな?