Tiny Garden の楽々人生

谷川和久が綴る 時系列を全く無視した 雑記(not 日記)の倉庫

日々の泡の日々

高校の卒業式の日だったっけか
でなけりゃ
最終学年の最終登校日かな?
わかんないけど一緒みたいなもんだろ
 
そんな日の話さ
僕は学校の放送室に忍び込んだ
ってワケだよ
普通の休み時間か何かかな?
勿論 放送部員ではないワケで
手順は忘れっちまったな
なんせもう
30年以上も昔のお話しなワケだし
隣接の視聴覚教室とかにさ
クラブ活動での演奏だ何だと
よく出入りしてた経緯なんかで
おそらく多分まんまと
忍び込めたんだろうワケだよ
ついでに
片思いしてた女のコが放送部だったし
って関係ないけどさ
 
まだ一日のプログラムなんざ
まだまだこれからって時間帯かな
僕は時限式装置の装着に
取り掛かったってワケさ
 
カセットテープをさ
セッティングするだけなんだ
ワケはない
ある時間になったら
カセットテープが再生されるよう
マシーンが作動するように
タイマーをセットして
クロックワーク気取り
素知らぬ顔で放送室を出るだけ
 
そして
静かな教室に戻ってさ
大人しいホームルームかなんかの最中に
ありとあらゆる学校中のスピーカーから
 
ギター一本で弾き語った
パンクロック version での
僕の唄うこの学校の校歌が
爆音でさ
鳴り響くはずなんだ
 
目的なんかない
求める結果なんかない
何にもならない空回りの行為
 
マトモで雲古な学校とオトナ達
素敵でインチキなボーイフレンド達
可愛い嘘つきなガールフレンド達
空っぽな自分
って
他人事みたいにさ
 
校歌はさ
そうだな
悪くなかったよ
全然 悪くなかった
何が悪くなかったって
歌詞に学校名が入ってない校歌
なんてそれほどないはずさ
クールだろ?
パンクロックアレンジも似合ってた
後の話だけど
教育実習で歌ったら
小二にもめちゃめちゃウケたよ
 
話が逸れたね
 
結果はだよ
情けない話だけど
爆音どころかこれっぽちも
オンジエアーにはなりゃしなかった
 
僕の機械の操作ミスなのか
(おそらくはそうであろう)
気付いた誰かが止めたのか
(これもなくはないよね)
 
静かにホームルームは進行し
静かに卒業式の一日は終わったってワケさ
 
僕のカセットテープは
「なんだろ?これ?」
ってな具合に
放送部の部室の音源倉庫に
保管され続けているかもだし
とっくにゴミ箱行きかもだ
多分そうだろね
 
って そんな話を
今更 思い出したってワケだよ
30年以上も経って
突然に 唐突に
 
今となって思えばさ
顔見知りの放送部の部員たちに
迷惑をかけなくって良かった
なんて思えるし
音の出元を調べられたりして
これオマエじゃんってなってたら
責任取ったのかよ
なんて思えるワケだけどさ
当時はただ
壊すコトしか考えてなかった
ってワケさ
いやホントのトコ
何にも考えてすらなかったよ
自分は出来るだけ安全なトコでね
一番インチキなのは
僕自身だったワケだよ
まったく
チクショウメ
 
大体さ
高校三年で大学受験目前の
心の弱い男のコの12月の誕生日に
ライ麦畑のつかまえて」(白水社)
をプレゼントする女のコってさ
神経疑っちゃうよね
センス好過ぎるぢゃねーか
元気にしてるかな?
大切な友達の大切な恋人だった
スペシャルなお姫様みたいな女のコ
 
僕と来たらさ
その本のお陰でさ
卒業文集用のクラス文責としての文章を
コールフィールドくん気取りの文体で書いて
同じクラスのやはり文集の責任者の女のコに
「クラスをこんな風に見てたなんて悲しい」
って涙混じりに書き直しを命じられて
全く悪びれもなく
友達のコトはさほどさ
担任は最悪だったけどね なんて
しれっと無難に書き直したんだっけ
 
これだからガキはやっかいなんだ
さっさと責任とれる大人になれよ
 
50間近だからって
なれたつもりかい?
 
なれたつもりかい?
 
とまぁ
「僕と校歌と卒業で」
みたいな話はこれでおしまいってワケ
つまんない話だったろ?
そう最初に云っただろ?
 
~この文章をS嬢に捧ぐ~

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