46歳9ヶ月の或る日、僕は見つける。
ノストラダムスの季節はとうに過ぎ、
近眼の人間はならないと信じていた老眼はどんどんと進み、
届く知らせは、訃報の方が多くなって来た。
大人になってからは、むしろ目立たなくなったが、
中高生の頃から、白髪はかなり多い方だった。
鼻の穴の中に白髪をみつけたのは、
(「髪」ではないが)
40代に入る前後頃であったか?
明確な時期は覚えていないが、
なかなか相当に衝撃的な出来事であった。
髭も剃ってしまえば分からないが、
最近では白いモノはかなり増えて来ている。
此処まで書けば、
次に何の話が出て来るか、
想像がついている方も少なくなかろうが、
そう。
先日、ついに、
「下」の毛に、「白」を、発見してしまったのである。
全面的な白髪ではなく、
黒の先端の数mm程度が白くなっているだけの、
セミ白髪であったが、
(苦しい云い訳でしかないとアナタは云うだろう)
紛れもない、白髪、であった。
年齢的には、
同年代の人間の話しを聞いていた限り、
別に、全く、遅くはないとは思うし、
むしろ、遅すぎるかも知れないが、
それでも、
「あー、とうとう、来たかー」、と、思った。
これから、僕の体は、
どんな黄昏時の記しを出してくるのだろう。
君を連れて行く。