Tiny Garden の楽々人生

谷川和久が綴る 時系列を全く無視した 雑記(not 日記)の倉庫

父とステレオと私

あれは、中学生の頃であったか。
僕の反抗期は既に始まっていた
頃の話しだった、ように思う。
 
意味の感じられないルールばかりで
横暴な大人が幅を利かせている
学校と云う集団生活への
不満や怒り。
 
テレビのニュースから知らされる
世の偽善や不正やなんかを見ては、
「大人は汚い」と、思っていた。
 
上も下も右も左も
西も東も北も南も
赤も青も白も黒も黄色も、
今と違って線引きが分かり易い、
単純な牧歌的な時代だったのだ。
 
で、まぁ、僕は、
自分の偽善は思いっきり棚に上げた
典型的で青いステロタイプ
「怒れる若者」だった。
 
高校の後半では
「なんだ、子供も汚いじゃん」
って気付くワケだけれど。
 
で、でも、
「自分も汚いじゃん」
に気付くのはもっと後だから、
更に質が悪い。
 
ま、で、本人としては、
親を含めた大人社会全般に
「異議申し立て」を表明していた
(としていた)時期なんだろうけれども、
単純な「反抗期」でもあった。
 
お小遣いや
お年玉や
誕生日プレゼントや
クリスマスプレゼントやらは
受け取っておいて、
何が反抗期だ?、だし、
なんせ、このすぐ後には、
大阪への大学進学で、学費や
月々の仕送りまで出して貰っておいて、
ホンマ、何を云うてるんだか。
 
なんて、云えるのは、今の話しで。
当時は当たり前と思っていたのだ。
スポイル。
 
で、話は戻る。
中学生の頃だった、と、思う。
 
自分の誕生日プレゼントに
親にステレオをねだり
買って貰った。
 
レコードプレイヤー
ラジオ(AM/FM)
カセットデッキ(ダブルカセット)
アンプ
スピーカー
のセットである。
 
今更、気付いたのだが、
どう考えても相当高価だ。 
最近、母に確認したら、
やはり、当時の母も、
「ちょっと高過ぎるんじゃない?」
と、反対したそうだ。
 
そりゃそうだ。
 
だが、しかし、父は、
自身が音楽が好きだったコトもあり、
音楽に興味を持っている息子に対し
機会を与えるコトを優先した、
そうだ。
 
ありがとう、父。
 
そして、このすぐ後、
高校進学後の僕は、
本格的な反抗期を迎え、
そして父は単身赴任となり、
完全に疎遠な関係のまま、
やがて、そのまま、
僕は大学進学で長崎を離れる。
 
大学時代には
片手で十分に足りる程の回数
しか帰省しなかった上に
卒業後は30歳まで帰らなかった。
 
親不孝じゃなくって何だ?
 
ごめんなさい、お父さん。
ありがとうございます、お父さん。