帰りの電車の中
満員ではないが座れるワケでもない
疲れた一日の終わり
近くに立っている女性は
カチっとした服装
仕事帰りなのであろう
歳の頃は30代後半位であろうか
スマートフォンの画面を眺めている
アニメーションキャラクター
のような二次元の美形男性が
微笑んでいる画像が見える
女性の表情には一切出ていないが
疑似恋愛?ゲームを
楽しんでおられるご様子である
その様子を見て
少し引いてしまったオノレを
僕は情けなく思いなおす
さっきまで オノレもスマートフォンに
二次元の猫さんをあつめて
喜んでいたではないか
そもそも覗き見からして
よい趣味とは云えまい
♪ キミのついたため息なのか
♪ ボクのついたため息だったか
♪ 誰も電車の中わからなくなる
と唄ったのは中島みゆきさん
それぞれの似て非なる孤独
それぞれ違う異なる渇望
満たされたい
渇きと餓え
アワビとクエ
刺し身を喰え
この荒地でわたしたちは