佐野元春さんの新譜CDを買いに、書店へ訪れた。
どうせ買うなら、知ってる店に、お金を落とそう、
ついでに、知り合いのお誕生日プレゼントに、
北野勇作さんの本も、買って帰ろう、と。
友人が書店に勤めている。
暗いニュースの多い業界ではある。
わざわざ店舗へ足を運ばなくても、
インターネットで、ワンクリックで、
安く買える、届けてくれる、時代。
書店とコンビニエンスストアとWEBで、
商品に違いがあるワケじゃなし。
勝負出来るのは、
書店員からの、積極的な、提案。
現場の書店員達は、
本が好きだから、と云う理由で、
決して好待遇とは云えぬ中、精一杯に、
魅力ある書店、を作るべく頑張るのだが、
とりまく状況は厳しくなるばかりのようだ。
実際、友人の勤める書店の、
非正規雇用スタッフへのスタンスは、
もう随分と何年も前から、
『非正規雇用のスタッフにスキルは求めない』
である。
いつでも切れる、安いスタッフ、は、
契約期間にもれなく上限を持つ、
取り換え前提の、無名の、顔ナシの、
部品、でしかない、そんなスタンス。
それでも、
本が、書店が、好きな彼女等彼等は、
頑張っている。
まぁ、会社の方針に逆らっているのだから、
あかん、と云えば、あかん、のだが。
いや、明らかに、あかん、のだが、だが。
そして、現場の正規雇用達は、
非正規雇用スタッフにスキルを求める、
と云う実にバカげたスパイラル。
そんな中、
新たな、衝撃のエピソードが、届いた。
正規雇用の社員さんが、
お休み明けの出勤の際の、
申し送りの連絡ノートを確認して、
「へー、誰の本ですか?」
と、のたまったそうだ。
申し送りの内容は、
「『絶歌』 発売
在庫僅少 問い合わせ注意」。
普通に生活してても、イヤが応にも、
入って来てしまう程度の情報では?
それが正規雇用。
そーいや、
「貧困ビジネス」を、
新たな積極的なビジネスモデルだと、
勘違いしてた社員さんもいたよなー。
それが正規雇用。
やるせにゃー。
さてさて、
広い店舗に、
北野勇作さんの本は、
置いていなかった。
最近、少しだけ、縮小したから、仕方ないやね…。